【広報きたひろしま】
令和7年4月号掲載
琴庄神楽団代表
崎内俊宏 (さきうちとしひろ)さん
▼Next baton▼
次号からは町の米づくりをする人や、
米から新たなアイデア
を創出する人を紹介します。
私のオキニイリ、大切な場所は琴庄神楽道場です。神楽は、わたしの人生において切り離せないものであり、練習場であるこの道場には言葉では表しきれないほどの思いがたくさん詰まっています。
昭和47年、神楽同好会として始まった琴庄神楽団は、地域とのつながりを大切にしながら、仲間とともに一歩一歩夢を形にしてきました。神楽を始めた当初から「決して中途半端にはやらない」という覚悟をもって取り組んできたからこそ、今のわたしたちがあると思っています。
昭和47年、神楽同好会として始まった琴庄神楽団は、地域とのつながりを大切にしながら、仲間とともに一歩一歩夢を形にしてきました。神楽を始めた当初から「決して中途半端にはやらない」という覚悟をもって取り組んできたからこそ、今のわたしたちがあると思っています。
道場が完成したとき、それは単なる練習場ではなく、私たちの「家」ができた瞬間でした。神楽を心ゆくまで追求し、仲間と語り合い、共に高め合えるー。さらなるステップアップへ新たな一歩を踏み出しました。ここでの練習や公演など神楽を通じて、技術や知識だけではなく、思いやりや支え合う心の大切さを学び、その絆こそがわたしたちを強くし、地域を活性化させる原動力にもなっています。
世代を超えて人々を結び、地域に希望と力をもたらす神楽。この灯を絶やさず、次世代へつなげるー。道場が地域に力を与え続ける場所であり続けることを心から願っています。
【広報きたひろしま】
令和7年5月号掲載
👆私のオキニイリ
「加計山山頂から望む大朝の風景」
わさの舞生産組合
水口一真 (みずぐちかずま)さん
私のオキニイリは、自宅からほど近い場所にある「加計山」山頂から望む大朝の風景です。地元の人が雲海を見に訪れたり、サイクリストに人気の隠れた絶景スポット。この場所で町並みや田んぼを見つめながら、地域や町の将来に思いを巡らせています。わたしは米づくりに携わる者として「ここで農業をしたい」と思える環境を整えること、「稼げる農業」を実現することが重要だと考えています。土地を守り、次世代へ希望をつなげるという責任を果たすべく、日々奮闘しています。
数年前にわさの舞生産組合を立ち上げ、現在は8人(8組織)で「いのちの壱」という品種を中心に、お米を生産しています。米づくりを通じて、人々や地域がお互いに高め合い一つになれば、町全体で誇れる「米どころ北広島町」になると信じています。この町に住んでいる農家でもない人にも、地元産のお米や特産品などに関心や愛着を持ってもらえれば、よりお米の価値も高まり、町を支える力になると思います。
わたしはこの町に、農業とともに希望の未来を託し、今日も一粒一粒心を込めてお米を育てています。
【広報きたひろしま】
令和7
年6月号掲載
👆私のオキニイリ
「聖湖」
大暮養魚場
片桐愛海(かたぎりまなみ)さん
私のオキニイリは、八幡の聖湖です。樽床ダムとして建設された人造湖。四季折々に異なる表情で、目を楽しませてくれます。特に秋の紅葉時期は、湖面に映る木々の彩りが美しく、絶景が広がります。ここは、家族にとっても特別な場所——。私が働く大暮養魚場では、4月の解禁日に合わせアマゴの放流を行い、秋には環境保護を目的に「聖鱒プロジェクト」を開催するなど、地域のみなさんとこの地を大切に守り続けています。小・中学生のころに参加した聖湖マラソン大会では、ゴール後に母の作ったお弁当や、父の焼いたアマゴを食べるのが楽しみでした。自分たちで育てたお米、魚は格別で、その優しい味と温かな家族の絆は、今でもわたしの心に刻まれています。
現在、大暮養魚場で働きながら、お客様に町の情報や魅力を伝えられることに喜びと大きな誇りを感じています。それぞれの地域の美しい自然や文化、伝統芸能など、もっと多くの人に知ってもらいたいです。同時に、若い世代や離れている人にも故郷を忘れず、好きでいてほしいと思います。わたし自身、これからもふるさと「北広島町」を大切に守りながら、その良さ、魅力を感じてもらえるよう、尽力していきます。
【広報きたひろしま】
令和7年7月号掲載
👆私のオキニイリ
「寒曳山」
有限会社大朝交通
高杉剛(たかすぎたけし)さん
私のオキニイリは、地元大朝を見守るようにそびえる「寒曳山」。戦国武将の吉川氏が、ふるさと駿河の富士山に見立てたと伝わる山で、別名「大朝富士」ともいわれます。愛犬との散歩道から見上げるその姿は、どんな日も心を穏やかにしてくれます。特に、春から初夏にかけての風景は格別で、水を張った田んぼに映る寒曳山、青く澄んだ空とみずみずしい緑、水の輝きが織りなす光景は息をのむ美しさです。幼いころは、スキー練習に励んだ思い出の場所。かつての寒曳スキー場に、毎日学校帰りに通っていました。練習の合間に食べる祖母が持たせてくれたおにぎりが力をくれていました。寒曳山をふと見上げては、スキーができる環境とおばあちゃんのあのやさしいおにぎりがあったからこそ、今の自分があるんだなあと思いを馳せます。
現在、自社の取組で、大朝の米粉を使った商品開発・販売をしています。ブルーベリーやいちご、どぶろく、りんご、卵なども、すべて北広島町の恵み。地域への愛情を込めて作られた商品たちは、地域の誇りと魅力を届ける存在でもあります。これからも地域に根ざした商品づくりや人とのつながりを大切に、楽しみながら挑戦を続けます。
【広報きたひろしま】
令和7年8月号掲載
👆私のオキニイリ
「北広島町有田 紫の里のしそ畑」
道の駅舞ロードIC千代田
駅長 大畑和憲
(おおはたかずのり)さん
道の駅舞ロードIC千代田のリニューアルオープンから、はや12年。わたしは駅長として、リニューアル当初から変わらぬ情熱を持って、毎日走り続けています。町内外から訪れるたくさんの人の笑顔に支えられ、地元の野菜や加工品、お土産など、スタッフとともに心を込めてお届けしています。
わたしのオキニイリは、千代田地域へ集荷に向かう途中に広がる、あのしそ畑。初夏から秋にかけて、一面が紫の絨毯のように染まる風景。その深く鮮やかな紫と、どこまでも広がる青空のコントラストは、まさに自然が創る芸術です。高速道路からも見えるので、ぜひ注目してもらいたい景色です。
わたし自身、お米や野菜を育てていますが、「おいしかったよ」の言葉が生産者にとって、また販売者にとっても一番の励みになります。米どころ北広島町の地の恵みを活かして、おいしいお米に合う商品づくりにも引き続き力を入れ、町の可能性をより広げたい。そして、生まれ育ったこの町が、若い世代にとっても「誇りと希望が持てる場所」であり続けるよう願い、歩み続けます。趣味のスポーツ観戦や温泉巡り、お酒を片手に、そんな未来を思い描きながら——。
【広報きたひろしま】
令和7年9月号掲載
👆私のオキニイリ
「北広島町新庄
旧新庄小学校」
大朝小学校
校長 大丸哲男
(だいまるてつお)さん
私は北広島町で生まれ育ち、この地で学び、教員として歩んできました。校長として、最初に赴任した旧新庄小学校の6年間は、子どもたちや保護者のみなさん、地域の人々に支えられ、多くの感動や学びがありました。オキニイリの場所は、校舎2階から見える田園風景。季節ごとに装いを変える田んぼ、夕焼け空、ふと現れる虹—。その景色の中には、子どもたちの笑顔や真剣なまなざし、地域の願いや希望が息づいていました。
大朝小学校では、耕作放棄地を蘇らせ、子どもたちがお米を育てています。昨年度、地域の協力のもと5年生が育てたお米「いのちの壱」が全日本お米グランプリで銀賞を受賞。また、旧新庄小学校では、伝統ある赤米を子どもたちが育て、宮島大聖院へ奉納を続けてきました。今年度は、両校の統合を機に「紅白プロジェクト」を始動。赤と白、2つのお米を育てるこの取組は、未来を拓く大きな一歩となります。
命と向き合う子どもたちの姿は「生きる力」そのもの。そこに、地域の農業と文化、そして誇りが確かに受け継がれていくのを感じます。ふるさとが、子どもたちの心に、そして地域の誇りとして輝き続けることを願っています。
【広報きたひろしま】
令和7年10月号掲載
👆私のオキニイリ
「龍頭山
」
株式会社どんぐり村
代表取締役 圓山貴子
(まるやまたかこ)さん
私のオキニイリ、それは地元豊平に悠然とそびえる龍頭山です。秋、稲刈りを終えた田んぼ越しに、自宅から眺める紅葉の山景色が心を満たしてくれます。新米をほおばりながら見渡すその風景は、自然の恵みに生かされてきた感謝と喜びが胸にしみわたる瞬間。四季折々に姿を変える自然と人の温もりにあふれたこの地域は、わたしにとってかけがえのないふるさとです。
そんな豊平の恵みを形にしたのが「どんぐり庵のそば味噌」。どんぐり庵で親しまれてきた味噌に、地元産のそばの実やくるみを加えてあります。商品づくりの先輩方に知恵をお借りし、昨年商品化しました。甘めの味噌に香ばしいくるみとそばの実の食感がマッチし、ご飯やキュウリ、豆腐にもぴったり。サクッコリッとした食感がやみつきになります。今では豊平の名産としてそばと並ぶほどです。
四季や角度、時間帯によってさまざまな表情を見せてくれる龍頭山は、登山やハイキングにも最適で、運が良ければ雲海に出会えることも。自然の美しさと人の温かさに包まれた豊平で、四季の移ろいと心に残るひとときを、そして誇れる味をぜひ味わってみてください。
【広報きたひろしま】
令和7年11月号掲載
👆私のオキニイリ
「八王子よみがえりの水
」
へんぽこ茶屋
寺岡浩一郎
(てらおかこういちろう)さん
私のオキニイリは、平成の名水百選のひとつ「八王子よみがえりの水」です。自宅のそばにあり、幼少期によく遊んだ思い出の場所。霧が立ち込める早朝に訪れると、空気が澄みわたり、体の奥から力が湧いてくるような不思議なエネルギーを感じます。実は、この場所こそが「へんぽこ茶屋」誕生の原点。きっかけは利用者さんのひとことでした。「ちょっと休める場所がほしい。」という声に応え、母が茶屋を構えたのが始まりです。そこから、家族の人生が大きく動き出し、今では家族・従業員と共に食事処を営業、イベント出店や商品の流通にも力を注ぎ、日々奮闘しています。
店を立ち上げた当初から、わたしたちは「米」を軸にやってきました。毎年、同じように育てていても、天候次第で出来や収穫量は変わります。だからこそ、自分たちの手で丹精こめて育てた米に価値を見出し、誇りを持って届けてきました。毎日食べるお米、一粒一粒には農家の汗と誇りが詰まっています。この地の水と気候に育まれた味わいを、もっと多くの人に知ってもらいたい。そしてなにより、若い世代が農業に希望を見出し、この土地の魅力を胸に受け継いでくれることを、心から願っています。
【広報きたひろしま】
令和7年12月号掲載
👆私のオキニイリ
「滝山峡
」
芸北オークガーデン
支配人 松田龍
(まつだりゅう)さん
静寂の中に、心がゆるむような時間があります。芸北の山々に囲まれたこの地では、自然の声が日々の暮らしを優しく包み込んでくれます。わたしの職場では、「自然とともに過ごすひととき」を大切にしています。訪れた人には、穏やかな時間を過ごしてもらえるよう心がけています。
わたしたちの自慢の逸品は、芸北地域の溝口地区で育てているお米です。肥料の配合を工夫し、何度も試行錯誤を重ねてきました。ようやく納得のいく味にたどり着いたとき、お客様から「この米はうまいね」と声をかけてもらえたのが何より嬉しかった瞬間です。その一言が、また次への励みになります。
送迎の途中に通る「滝山峡」は、四季折々の景色が楽しめる私のオキニイリの場所です。新緑や紅葉、銀世界がトンネルの向こうに広がり、何度通っても見飽きることがありません。特に冬の朝、川面から立ちのぼる白い湯気と雄大な山の景色を眺めていると、自然の力強さとやさしさを同時に感じることができます。日常の忙しさの中でも、ふと立ち止まって、静けさの中で、自然の息づかいを感じるひとときは、芸北らしさを最も実感できる時間かもしれません。
【広報きたひろしま】
令和8年1月号掲載
👆私のオキニイリ
「お好みハウス とおせんぼ
」
ゆず庵
店主 道川亮介
(みちかわりょうすけ)さん
「とおせんぼ」の暖簾をくぐると、ふわりと懐かしい香りが心を包みます。鉄板から立ちのぼるお好み焼きの湯気、明るく響くお母さんの笑い声。その温もりに触れるたび、疲れた心や身体がふっと軽くなります。お母さんはお好み焼きづくりだけでなく、野菜づくりやイベント出店にも精力的でパワフル。いつも笑顔で、まわりに元気をくれる存在です。
家族で訪れることも多いこの場所は、わが家の癒やしスポットであり、オキニイリです。
現在参加している「おこめの”わわわ”プロジェクト」は、お米を軸にさまざまな業種の人の想いや力が輪のようにつながる取組。わわわな逸品のひとつ「どぶろく鍋」は、季節の野菜とお米の甘みや香りが調和したメニューで、通年お店で楽しむことができます。また、高校生とコラボし誕生した万能ドレッシングは、若い感性と地元の味が融合した商品で、町の新たな特産品に。自分のやっていることが次世代につながることに喜びを感じています。
「お金を稼ぐことも地域を支える大切な力」。その価値観を伝えながら、作る側と食べる側の笑顔が循環する町を目指して、今日もお米と人、そして未来をつないでいます。