【広報きたひろしま】
令和6年4月号掲載
西中国山地西部に位置する標高1126mの「掛頭山」。山頂からの景色が私のオキニイリです。かつての芸北国際スキー場リフト降車場が山頂で、車でもアクセスできる地元の人にはよく知られたスポットです。
スキーヤーとして臨む雪景色ももちろん美しいのですが、芽吹きのにおいを感じる春、凛した空気を感じる秋、早朝に西中国山地のパノラマに描かれる雲海の芸術は地元に住むわたしたちの自慢の景色でもあります。
スキーヤーとして臨む雪景色ももちろん美しいのですが、芽吹きのにおいを感じる春、凛した空気を感じる秋、早朝に西中国山地のパノラマに描かれる雲海の芸術は地元に住むわたしたちの自慢の景色でもあります。
ふだんは、八幡で「八幡高原酒造」としてどぶろくを製造しながら、「民宿あるぺん屋」を夫婦で営んでいます。13年前には、広島県で唯一「全国農林漁家民宿おかあさん百選」に選定されました。お客様とわたしたちの住んでいるまちの魅力を共有したい、この地を訪ねた価値を共有したいー。自慢の料理とともに、夫が早起きして案内する臥竜山や湿原、聖湖などのガイドも人気で、テレビにも写真にも写せない、文章でも書ききれない魅力を体感していただいてます。北広島町は広いまち。ぜひ町内からも、わたしたちを訪ねて泊まっていただけたらと思っています。
【広報きたひろしま】
令和6年5月号掲載
私のオキニイリは、国の特別名勝・三段峡の最上流部にあたる「三ツ滝」です。湖から約200m下流に位置し、畳岩と呼ばれる巨岩に挟まれた優雅で力強い滝。ここは四季折々、どの季節もいい景観なんですが、特に私が好きなのは木々が芽吹く新緑の時期。さまざまな樹種が織り成す緑のグラデーションは心奪われる美しさです。家族や広島市内の友達を連れていったときには、みんな決まって帰りの急峻な上り坂に苦戦しますが、登り切った後に見る聖湖越しの臥竜山がまた癒しの眺望で、しんどさが一気に吹っ飛ぶようです。
八幡には、そのほかにも世俗を離れてリフレッシュ・パワーチャージできる魅力的なスポットがたくさんあります。霧ヶ谷(きりがたに)湿原やカキツバタの里、千町原(せんちょうばら)のススキ、ブナの原生林、牧野富太郎(まきのとみたろう)句碑などなどー。カメラ愛好家や山歩きのグループをよく案内したものです。
自然以外のまちの魅力としては、神楽や花田植などの郷土芸能を大切に継承し、地元愛豊かであることが挙げられます。その一方で少子高齢化・人口流出などの問題にも直面。より魅力的なまちづくりに向け、官民一体となってさらに取り組んでいかなければと切に思いますね
自然以外のまちの魅力としては、神楽や花田植などの郷土芸能を大切に継承し、地元愛豊かであることが挙げられます。その一方で少子高齢化・人口流出などの問題にも直面。より魅力的なまちづくりに向け、官民一体となってさらに取り組んでいかなければと切に思いますね
【広報きたひろしま】
令和6年6月号掲載
豊
平のシンボル龍頭山。その中腹にある名瀑「駒ヶ滝(こまがたき)」の傍らに観音様の壁画があります。壁画の作者は、ネパールの高名な画家であるラマナンダ・ジョシ氏。昭和62年に描かれたこの壁画がわたしのオキニイリです。
制作当時、ジョン氏はわが家に逗留(とうりゅう)されました。制作に向かう真剣な表情の裏側、家では妻の手料理をおいしそうに召し上がり、当時3歳だった長男をかわいがっていただいた姿が心に残っています。
町おこしのシンボルを作りたいと、ジョシ氏を招聘(しょうへい)した大学時代の恩師日隈(ひぐま)先生、「西日本一のそばの里」を目指し、奔走された当時の前田豊平町長、石壁をきれいに削り、足場を組んでくれた地元の仲間たち。この壁画を眺めると、当時の人たちの思いや私自身の心の動きが懐かしく胸によみがえります。いつの時代にも、豊平を愛し、尽力する人たちがいます。
現在は、地域の人たちはもちろん、母校広島商業高校の後輩にあたる(株)バルコム山坂哲郎(やまさかてつろう)会長や現役の生徒たちも豊平の活性化に力を尽くしてくれています。彼らの姿やこの壁画を見て「わたしもまだまだがんばらねば」と思いを新たに、パワーをもらっています。
【広報きたひろしま】
令和6年7月号掲載
陰陽を結ぶ石州街道。かつて旅の途上にあった人たちも、この場所からこの景色に心を安んじたのでしょうか。私のオキニイリは、大塚の高台にある、浄土真宗圓泉寺(えんせんじ)境内から眺める大塚の風景です。
2000年に坊守が亡くなってからは跡継ぎがなく、門徒で維持をしていました。新しい住職をお迎えする努力をしましたが、叶わず、この春に「お別れ法要」をもって、吸収合併という方法で区切りをつけさせていただきました。
保育所も一時併設しており、保育所から響いてきた子供たちの元気な声や風物詩であった除夜の鐘の音。お寺としては歴史を終えましたが、心に残った情景は決して消えることはありません。季節ごとここから眺めるこの景色が私の原点です。
42年前会社を興し、幾多の困難を乗り越え、社員はもちろん、さまざまな人の力によって今日を迎えています。こんな田舎にこんな会社があるー?小さくてもきらりと光る「グローバルな田舎っぺ企業」を目指しています。先行き不透明な世の中になりましたが、「知恵と工夫と協力、協調」、これがあればどんな世の中になっても怖くないと信じ努力しています。
【広報きたひろしま】
令和6年8月号掲載
「食楽」代表
小田壮二(おだそうじ
)さん
▼Next baton▼
体育協会を盛り上げてくれている小畑隆浩
(こばたたかひろ)さんに
豊かな自然に囲まれた旧芸北国際スキー場。かつては冬のにぎわいの中心で、多くの人にとって特別な思い出が生まれた場所です。
太平山から見下ろす雄鹿原(おがはら)地域も美しいですが、逆もまたしかり。まっすぐに伸びる町道中祖荒神線の先にそびえる大平・掛頭山を中心とした中国山地らしい山々の壮大な景色も魅力的です。この「山のふもとのまち」からの眺めが私のオキニイリです。桜の咲く春、新緑の初夏、紅葉の秋、そして一面の銀世界に包まれる冬と、四季折々の変化による異なる美しさを見せてくれます。
35歳から現在まで、祖父の仕出し業を引き継ぎながら、スキー場スタッフとしてスキーの指導・普及に努めてきました。現在は広島県スキー連盟の副会長として、スキー場全般の活性化を推進する立場。地元の子どもたちには無料レッスンを行うなど、スキーの楽しさを知ってもらう活動もしています。
スキーの魅力はズバリ楽しさ。爽快感やスピード感は、他のスポーツでは得られない独特のものだと思います。今後、スキー場がかつてのにぎわいを取り戻し、地域経済の活性化につながることを山のふもとから期待しています。