上川戸の虫送り踊り

 田植えがめでたく終わり、稲が成長を始める頃、泥負い虫、ナカザシ、ウンカなど、稲の生育に害を与える虫が発生します。
享保17(1732)年の大飢饉は、ウンカによる被害が原因ともいわれており、先人たちは、このような害虫を追い払う呪法として藁人形を作り、川に流す「虫送り踊り」を行いました。
 中部以西では、藁人形を「サネモリさん」と言っていました。サネモリさんは斉藤別当実盛という平家方の武将です。
 嘉永2年(1183年)源平合戦において、平家の武将斉藤別当実盛が水田の稲の切り株につまずき、あえなく最期を遂げる際、「我は害虫になって、水田にたたる」と言い残したとの言い伝えがあります。実盛の怨霊が害虫となり田畑を荒らすと考えられ、サネモリ人形をつくり、稲に付く害虫の御霊をこれに移し村境で川に投じて追放しました。
 稲の病虫害を防ぎ、五穀豊穣を祈願する農村の大切な祭りが「虫送り祭り」で、サネモリ送りの呪的効果をより高めるために踊られていたのが、「虫送り踊り」であったとみられます。この虫送り踊りは、江の川源流域に古くから行われていた武装行事であり、旧千代田地区では川戸地区に限って踊られていたようです。
 虫送り祭りは、民俗行事を伝承するものであり、上川戸熊野神社での神事や腰に付けた小太鼓の音や笛、手打ち鉦の拍子に合わせてサネモリ人形を振りかざしての行列など素朴な踊りが展開されます。

 

会場では、地元神楽団による神楽も上演される。

 
住所:広島県山県郡北広島町川戸
   上川戸集会所付近
TEL:0826-72-6908(北広島町観光協会)
公開日:毎年65月第一日曜日

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